REVIEW >> ARMS & TRAINER | 得物・訓練用品>> 刃物・鈍器等
ラバートレーナー同様、コールドスチール社は、樹脂製のナイフも数多くのラインナップを揃える。今回はその中でも、刺突に特化し、唯一鞘が付属していて、護身用品としても人気が高いデルタダートを紹介しよう。
SPECS | 性能諸元
メーカー(生産国) | COLD STEEL(アメリカ合衆国) |
全長 | 20cm |
重量 | 28グラム |
材質 | ザイテル(ガラス繊維入り合成樹脂) |
価格(購入価格) | ナイフ本体のみ:5.99ドル 鞘付き:10.98ドル(国内通販にて1180円で購入) |
そもそもプラスチック(樹脂製)ナイフの需要とは?
刃物と言えば金属製なのが当たり前の常識。そんなナイフを樹脂で作るのは何故か?知らない人からしてみれば、まるでおままごとセットのプラスチック製の包丁である。しかし、樹脂の精製技術は大戦以降驚くほど進歩をしている。軽くて丈夫でしなやかさを持ち、錆の心配はいらない。高級外車やスーパーカーの材質としても使われている。また、軽さや金属探知機等に引っかからない点から、秘匿して携行する際の需要もある。(近年ではその点を用いて悪用されないよう、金属探知機に反応する材質を練りこんでいたりする。)
刺突に特化したデルタダート
コールドスチールスチール社のプラスチックナイフは、あいも変わらず様々なラインナップを出している。タントー型(FGX CAT TANTO)、プッシュダガー型(FGX PUSH BLADE)、カランビット型(FGX KARAMBIT)等々多岐にわたるジャンルを揃える。どれも、プラスチックとは思えないほどの切れ味や、耐久性があり、値段も日本国内であっても2000円以下で購入できる。その威力は、コールドスチール公式のyoutube名物動画でゲップが出るくらいまで堪能できるので、ぜひご覧いただきたい。
今回のデルタダートは、その中でも刺突に特化し、プラスチックナイフシリーズで唯一シース(鞘)を付属させ、護身や携行目的を強めた製品だ。鞘は強化プラスチック製でこれも大変丈夫。あまりオススメはしないが、これを装着した状態で、訓練用のトレーナーとしても使える。鞘にはストラップ通しが付いており、付属品であるネックチェーンを通すことができ、ネックナイフとしての携行が可能。ちなみに、この製品は鞘が無い本体のみの販売もされており、その場合は1000円以下で入手できる。
また、このシリーズの特徴だが、柄の部分に金属製のリングが付いており、ここに指をかけることでスッポ抜けや、他の装備品にかけての脱落防止にも利用できる。リングはキーホルダーにあるような取り外し可能なものではなく、接合部は溶接されているので、取り外す際は力技で外すしかない。
刃というか刺突部は、その製品名の通り、三角柱を尖らせたような形となっている。通常の刃物の平型と違い、切り裂く能力は失っているが、刺突や耐久性を格段に上げている。
小さなパイルバンカー
ではその刺突能力はどんなものか。いろんなものを突いてみた。
まずは小手調べとしてダンボール。この程度はノーダメージで難なく突き刺してもらわないと困る。三角形の穴が特徴的だ。
次に鶏肉。弾力のある皮の部分も楽々貫通する。(ちなみに、鶏肉はこのあと曲者がサテにして美味しくいただきました。)
お次にエンジンオイルの空き缶。こちらも余裕で軽々と貫通する。
厚さ2センチ程度の材木。貫通はムリだが、三角形の刻印は堂々と刻めれる。若干先端が削れてきた。
一斗缶。こちらは厚い缶の底に傷すらつかなかった。さすがに先端は丸くなってきた。
と、こんな感じである。以上の点から、硬い材質のものを相手にしたり、多くの回数を使用するのは難しいが、護身用として購入される理由はわかる。特に軽いので、ネックナイフとしてランニング愛好家が購入したりもすると聞いている。ちなみに、日本ではこのようなものを携行していると、軽犯罪法等に抵触する可能性がある。
何回も使用していると、どうしても先が潰れてくるのは樹脂なので仕方ない。その時は、ヤスリ等で苦もなく簡単に研げるので、再度形を整えてやれば鋭さは蘇る。個人的には、鞘も足した全長が長いと思えるので、5センチほどカットして再形成してみた。私のような不器用な者でも簡単に加工できる。と言っても、コレ何に使おうか?